定年後の人生を新たに切り開くための鍵
身に覚えのある言葉に、ふと心が動く瞬間があります。
それは、銀行員として長年積み上げてきたキャリアが、一旦その居場所を失い、改めて自分を見つめ直した瞬間のエピソードです。
圧倒的なプライドの壁に直面した時、私たちは何を信じ、どう行動すべきなのでしょうか。
著者の江上剛さんがこの問いに対して、自らの経験から紐解く知恵を本書「60歳からのサバイバル」で詳しく述べています。
銀行員から作家へ:江上剛の転身
49歳で銀行を退職し、作家としての第二の人生をスタートさせた江上剛さん。
その決断と転身は、多くの人に衝撃とともに希望を与えました。
しかし、この決断は、あくまで甘いものではなく、彼の内面で大きな葛藤と自己の再発見があったことを忘れてはなりません。
それが「頭を切り替える」という一喝を受けた時の体験に集約されています。
「60歳からのサバイバル」では、このように大胆かつ冷静な視点から、定年後の新生活に必要なスキルや姿勢が紡ぎ出されます。
新しいキャリアのために必要な心構えとアプローチ
会計業務から創作の世界へとブランコを飛び移るようなキャリアチェンジを迎えた江上剛さんが、読者に伝えたかったこと。
それは「プライドを捨てる」ということです。
そして、これが成功の鍵であることに疑いの余地はありません。
本書は、特に"年下上司の壁"や"再就職の壁"など、過去の自分が当たり前と信じていた価値観を一掃し、新しい価値観を受け入れる心構えの具体例が豊富に紹介されています。
現代社会における孤独の捉え方
定年後の人生において、多くの人が直面する問題の一つが孤独です。
しかしながら、江上剛さんはこの孤独を「自由」と捉え、ここに豊かな人生を構築する糸口を見出しています。
「孤独の壁」では、会社員生活の枠を超えて未知の自由をどのように楽しむのか、彼自身の視点を紡ぎ出し、現代社会における新しい価値観を提案しています。
人間関係の再構築と新しい絆の構築法
定年後の人生は、私たち一人ひとりが新しい人間関係を探る旅路でもあります。
しかし、長年培ってきた人間関係もある中でどのようにバランスをとっていくのか、それが非常に重要です。
本書では「人づきあいの壁」として、江上剛さんは人情に欠け、義理に欠くことが逆に新しい人間関係を築くための第一歩であることを教えてくれます。
江上剛さんに見る、60歳からの人生のデザイン
本書を通じて明らかになるのは、江上剛氏が示す60歳からの人生のデザインです。
彼が語る理論は単なる方法論にとどまらず、人それぞれがもつ個性を重視したアプローチが詰まっています。
具体的なエピソードを交えながら、自己発見の旅を続けることの重要性と、再び新しいキャリアの扉を開くパワーを感じさせてくれます。
まとめ:新しい章を開くための知の宝庫
「60歳からのサバイバル」は、単なるキャリアチェンジのための指南書ではなく、定年後の人生をどう豊かに生きるかのヒントが散りばめられた知の宝庫です。
定年を前にして、もしくは定年を祝った直後の読者にとって、この本が示す考え方は、明日の自分をより輝かせるためのきっかけとなるでしょう。
自分の価値観を見直し、次の一歩を踏み出す勇気を、江上剛さんの言葉からぜひ受け取ってみませんか。
著者名: |
江上 剛 |
出版社名: |
PHP研究所 |
ISBNコード: |
9784569854267 |
発売日: |
2023年03月20日 |